ジム・スタジオが出来るまで

全速力で・・・|ジム・スタジオが出来るまで⑫

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柔らかい雰囲気のスタジオに、徐々にゴツゴツしたトレーニング機材が増えていきました。

期待に応えられなかった悔しさ、期待に応えたいという思いから少しずつ増えていったトレーニング機材。しかし、それは同時にスタジオの雰囲気を壊していきました。

私は自然と、新たにジムを作るべきだと考えました。

とりあえず1ヶ月スタジオを営業しよう。1ヶ月間何とかなったら3ヶ月・・・そんな思いでスタートしてから2年目のことでした。

ちょうどその頃は売上も安定してきていて、いわゆる”軌道に乗った”という状態だったと思います。なんとか黒字に、そして以前と同じくらいの収入を得られるところまできた、そんな頃でした。

目標としていた売上額まであとほんの少し・・・普通なら軌道に乗ったところで少し落ち着いて営業しようと思うのかも知れません。

しかし・・・

私には安定ではなく、停滞していると感じました。軌道に乗った、のでなく伸び悩んでいる。そう感じたんです。

今の状態に留まれば、結果の予想がつきやすい。人間は肉体的にも精神的にも現状を維持し安定しようとします。でも、現状を維持していたら目標を達成できない。その時の私はそう考えました。

『ジムを作る。』

開業からたった2年でもう1店舗作ろうというのです。”自信と勇気があったんだね。”そんな風に言われることもありますが、私の心の中はまったく逆でした。

『全速力で逃げる。』

それが私の本心でした。

このままの状態では何年も(店が)持たないだろう。では次に何をしよう?どうすれば崖から落ちずにいられるだろう。

私は臆病で自分に自信がない人間です。自分の能力が高くなく、弱いこともよくわかっています。

でも、己を知っている。自分の弱さを認めたときから、こんな自分が生き抜く方法はないか?と常に考えるようになりました。

何を作ったら・・・

何を差し上げたら・・・ 

この街の人は喜んで 楽しんでくれるだろうか?

それに応えるには? どうやったら作れる?

そしてもう一つ・・・

私がやっているのは小さなお店、個人事業でした。

でも、一人でやっているのと違い、小さくても店舗を構えた。

それは本当に小さな『企業』といえる。

企業の社会的役割・責任

『人々にモノ・サービスを提供し利益を生み、経済に貢献し、かつ雇用の創出をすること。』

そんな定義があったと思います。

小さくともお店として、事業として始めたんだ。自分の小遣い稼ぎの延長ではいけない。そんなことを考え始めていました。

『お店を増やし、他のインストラクター・トレーナーさんの活動の場を作ろう。』

色々な思いを胸に、ジムとスタジオを作ろうと動き始めました。

しかし、この時の私は知りません。

みんなの期待裏切ってしまうということを・・・

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