では具体的にどんな風に物件を選んだらいいのか、考えてみましょう。
物件選びのポイント
立地
どんな街に?
ご自分の思い描く店舗は出来ましたか?どんな人に来てほしいか。また、どんな時に使って欲しいか。それに見合うエリアを探しましょう。
駅からの距離・人の流れ・住んでいる人々の雰囲気など、実際にその街を訪れて、観察してみましょう。
フィットネスクラブもそうですが、パーソナルトレーニングジムも商圏(お店を中心にお客様がいらっしゃる範囲)は2㎞程度です。出店したい場所の半径2㎞の人口などもチェックしてみましょう。
(まずは 〇〇区 人口 などで検索してみましょう。)
また、その街にどんなフィットネス関連の施設の出店があるのかも調べてみましょう。
総合型フィットネスクラブ
→人口の多い街・乗降客数の多い駅近辺に出店しているケースが多いです。
24時間型ジム
→総合型フィットネスクラブよりは小さな街に出店しているケースが多いです。
高額パーソナルトレーニングジム
→近年は地方都市への出店も加速していますが、多くは乗降客数の多い駅を中心に出店しています。
フィットネス関連の施設だけでなく、どんなお店が出店しているかも調べてみましょう。比較的リーズナブルなチェーン店が多い地域なのか、ちょっと高額だけどこだわりのお店が多いのか。
大きな企業では、出店するために綿密な調査をしています。どんなお店があるか、というところから街の規模を推測してみましょう。
ただ、個人的には・・・
駅を中心に2㎞圏内の人口が多い街
競合店が少ない場所
比較的新しく・活気がある街
が良いと思います。競合が多いエリアの方が、そこにお客様が集まり良いという考え方もありますが、まだまだパーソナルトレーニングの市場規模はそう大きなものではないと思います。
ライバルの多いエリアで戦うより、ライバルの少ないエリアで一番を狙うのも一つの作戦です。
駅前一等地が良い?
当然のように駅に近いほど、賃貸料は上がります。もちろん、それだけ人の目に触れる可能性が高いからですが。
しかし、現在の消費者の購買行動は ネットで検索 → サイトを確認 → 問い合わせ この流れを取ります。そして、グーグルマップなどが進化していますから、あまり迷うことなく目的地にたどり着けるでしょう。なので、駅前一等地のように駅からの距離にあまりこだわる必要はないのかな?と思います。
駅からの距離は徒歩10分以内
駅からの道順を説明しやすい
周りにお店がある
駅からの距離よりも、道順の説明しやすさが意外と大切なように思います。また大通りや商店街に面しているよりも、広さはあるけど落ち着いた通りの方が、お客様も安心して来店しやすいように思います。
どんな建物がよい?
お店を出したい場所が決まったら、ネットや地元の不動産屋で物件を探してみましょう。住居もそうですが、本当に自分の理想とピッタリ合う店舗物件に巡り合うのはなかなか難しいです。根気よく、あちこち見て回りましょう。ただ、条件の良い物件ほど早く決まります。焦ってもダメですが、のんびり過ぎてもダメです。
具体的な建物の構造
(1)鉄筋コンクリート造
最も強度が高く、遮音性(音が漏れない)も優れています。あまり古い建物の場合は鉄筋コンクリート造といえど、こうした機能が劣る場合があります。
(2)鉄骨造
鉄筋コンクリート造と外観は似ていますが、強度・遮音性などは下がります。
(3)木造
賃貸料は低く抑えられますが、強度・遮音性は低いです。
パーソナルトレーニングジムの場合、やはり(1)鉄筋コンクリート造の建物を選びたいです。建物のオーナーさんとしては、振動・騒音を心配されますので、強度の高い建物を選びたいです。
逆に、ヨガやピラティスなど静かなプログラム中心のスタジオなどの場合は、木造の建物なども雰囲気が良く”味”があっていいかもしれません。
設備
店舗物件の場合スケルトン(何もない状態)が基本です。ただ、建物の状態・契約条件など物件によってかなり違うのが店舗物件です。普通の住居ならあって当たり前の”トイレ”・”照明”・”水回り”・”入り口”すらない場合があります。
トイレなどは配管工事も必要で、新設するとなると結構高額になります。床・入り口なども面積が大きい分、作るとなると結構な額が必要になります。
残存している設備はあるか?
新築でない場合、残存している設備があったりします。トイレなどはついているケースも多いです。あとはエアコン。店舗面積が広いほど大きなエアコンが必要で、家庭用エアコンと比較すると本体価格も取り付け工事費も高額になります。
物件の状態、設備、残っている設備があればその状態や所有者(オーナーさんのものか残置物なのか)なども確認しておきましょう。
間取り
部屋の形はどうでしょう?住居として借りる時と同じで、変形した形より四角に近い方が使い易いです。ただ、正方形と長方形でも使い勝手が違ってきます。最終的なレイアウトを思い描いておく必要があります。
ただ、このレイアウト・・・なかなか難しいです。どんなレイアウトにするかでお客様・スタッフの動きやすさが変わり、失敗すると見えないストレスになります。
例えば、せっかくトイレが付いていても、自分が思い描いたレイアウトにそぐわないようだと後々使いにくくなります。その辺りも含めて、物件をチェックしましょう。
いかがでしたか?通常の住居用の物件と違う点も多い店舗物件。あらかじめそうした違いを理解しておいて、実際の物件を見に行くとよいと思います。
次の回では、工事費の具体例と節約のポイント・契約についてなどをご紹介します。