マーケティングというと”商品やサービスを宣伝すること”や”市場調査”をイメージする方もあるかもしれません。実際はそれはマーケティングの一部であり、全体ではありません。
しかし、マーケティングの定義自体が多数あり、これが正解とは簡単にいえません。
むしろ固定された正解はないのかもしれません。
”売れる商品は何もしなくても売れる。売れない商品は何をしても売れない。”
やや乱暴な言い方ですが、私が販売員時代いろいろな商品を販売する中で感じたことです。
売れる商品は”売る努力”を最小限にしてくれます。
ピータードラッガー:(マーケティングの)究極的な目的はセリングをなくすこと
まさにそれ、と思います。とはいえ、このたった一言が難しいのですが・・・
個人でジムを開くときに必要なマーケティングとは?
誰の どんな目的に
あなたの商品は何?
そもそも、あなたが売りたい商品はなんでしょう?
”え?!パーソナルトレーニングでしょ?”
そう思った方は黄色信号です。もちろん私もはじめはそうでした。
今でこそ”パーソナルトレーニングってこんな感じのやつでしょ?”とご存知の方も増えましたが、以前は・・・
”パーソナルトレーニング?何それ?え?!1時間6000円?!” という感じでした(笑)
当然、パーソナルトレーニングの説明から始まります。
”筋肉をつけたいとか痩せたいとか、その人の目的に合ったトレーニングを・・・” なんて具合に。
一般的にパーソナルトレーニングというと、大きく三つくらいに分類されています。
(〇〇系という表現はあまり好きではないのですが・・・)
1、ボディメイク・ダイエット系
2、ファンクショナルトレーニング系(競技力向上)
3、機能改善系(腰痛・肩こり予防など)
”なんだそれなら俺は1番のボディメイク!”
・・・そう思った方はもう少し一緒に考えてみましょう。
どんな時にあなたの商品(サービス)を必要とするのだろう?
パーソナルトレーニングというと、一般的なフィットネスクラブの月会費分くらい(あるいはそれ以上)の金額が1回のセッションの代金の相場です。そう考えると、安くはありません。
では、お金とそして何よりも大切な”時間”を使って、パーソナルトレーニングを買う人は何を求めているのでしょう?
既存のサービスでは満足できなかった?
求めているサービスがなかった?
お客様は既存のサービスに落胆し、期待を込めてあなたを選択するのかもしれません。
あなたはどんな人のどんな要求に応えたい・役に立ちたいのでしょう?
人はどんなシチュエーションであなたのパーソナルトレーニングを求めるのでしょう?
そう考えていくと、より具体的に<どんな人の・どんな課題を解決するために・どんなサービスを提供するのか>が見えてきます。
他に提供している人(企業)はいないか
商圏
フィットネスクラブの商圏(集客できる範囲)は2㎞ほどと言われています。通常、パーソナルトレーニングジムも同じくらいです。
ご自分のサービスを届けたい相手がいそうな場所(例:若者がターゲットなら渋谷 など)の半径2㎞圏内に、どんなお店があるのか調べてみましょう。
同じサービスを提供している人
残念ながらパーソナルトレーニングの市場規模(経済活動の規模:全体での売上規模)はまだまだ小さいです。あなたが出店しようとするエリアの人口が多ければ、競合がいくつかあっても売上が確保できるかもしれません。フィットネス参加率3%と言われる日本。その3%よりさらに低いのがパーソナルトレーニングへの参加率でしょう。
競合の有無、規模(施設・トレーナー数)、価格設定などはしっかりチェックしましょう。
一見違うけど競合するサービス
”同じエリア内のパーソナルトレーニングジムはないな。よし!”
ちょっと待ってください。実は一見競合しないようなサービスが競合したりもします。
よく言われることですが、パーソナルトレーニングを含めいわゆるフィットネスに関する出費は<遊興費>としてとらえている方が多いのです。遊興費、つまり趣味に対する出費です。
そう考えると・・・一般的なフィットネスクラブやヨガスタジオなども場合によっては競合します。ある人のお財布の<遊興費予算>の奪い合いになりますから。
女性の場合、美容関連の支出ととらえる方もいますし、健康維持費のようにとらえる方もあるでしょう。そうなると、もっと競合は多くなるかもしれません。
更にいうと・・・お金とともに、実はその人の<時間>も奪い合っています。
仕事帰りの一時間・休日の一時間、そのポジションを他のサービスと奪い合いことにもなります。
①まとめ
1)自分の提供するサービスをより細かく定義しましょう。
2)顧客、その顧客がサービスを購入するシチュエーションをイメージします。
3)合致する出店エリアを選定しましょう。
4)競合するサービスを提供している人がいないかチェックしましょう。
パーソナルトレーニングジム・マイクロジムのマーケティングを考える②に続く