トレーナーになる以前・・・会員として通っていたフィットネスクラブで、スタッフさんと会員さんの間で恋愛関係の揉め事があったのを目にしました。
フィットネスクラブで働く友人に『やっぱりそういうこと多いの?』と聞くと
『多いみたいだよ。でも、私は考えられない。ちょっと言い方悪いかもしれないけど、お客様は私たちにとって商品だから。』
プロだな、と思いました。
フィットネスクラブで働くようになった時には、その友人の言葉を思い出しました。
『若い女の子にばっかり優しい。』
そんな風に言われないように、男性会員さんや年配の会員さんとのコミュニケーションの割合を多くするように心がけていました。
しかし、私がフィットネス業界に入った時はすでに30歳を過ぎていました。まわりのスタッフは20代。ベテラン感漂う新人・・・
見た目がかっこいいわけでもなく、おしゃべりも上手くない。レッスンも担当していませんでしたので、若い女性会員さんと・・・余計な心配でした(笑)
ところがトレーナーに成り立てのある日・・・自分のクライアントさんから告白を受けてしまいました。
複雑でした。素直に男性としては嬉しい。けど・・・
『トレーナーとして選んでもらえたんじゃなかったのか・・・』
自分の姿勢に隙や甘さがあったのか。何よりトレーナーとして選んでもらえたんじゃなかったのかな・・・と。
でも、その方は続けてこう告げてくれました。
『でも男性としてというよりは、同じ接客業に携わる人間としての好意です。いつも笑顔。いつでも笑顔で迎えてくれる。そのことが実はどのくらい大変か・・・私も同じ接客業だから。』
販売員時代は作業に追われ、笑顔をなくして仕事をしてしまうこともありました。でもフィットネスクラブに入り、ある先輩トレーナーが毎日100%の笑顔でお客様に話してらっしゃるのを見て・・・
『凄い!俺も真似してみよう!』
次の日から実践・・・想像以上に大変でした。同じ仕事なのに一日が終わるといつもの倍は疲れました。
それでも毎日毎日・・・
倍だった疲れは徐々に少なくなりました。そしていつしかそれが普通になりました。
『いつも笑顔だから。』
本当に嬉しい言葉でした。