いつかきっと


『20歳までは親の責任だから育てる。あとはお前の人生なんだから好きに生きろ。』

父がよく私に言っていました。
両親や兄弟のため、幼い頃から働いていた父は、私に同じ思いをさせたくなかったそうです。

私が世界中で最も話すのが苦手な相手、父。
しかし最近、ある事をきっかけにずいぶんたくさん父と話しました。

父も母も、私が覚えていないような私が幼い頃の事まで記憶していました。当たり前の話なのでしょうが、私が生まれる事、成長していく事、それを喜んでくれていました。

親孝行らしい事は何一つ出来ず、父と母の誕生日すら覚えていない。なんとダメな息子。

今、自分がなんとか商売で身を立てようともがく理由は二つ。

もう就職も出来ない、国になどもちろん頼れない。最期まで『自分の力で稼ぐしかない』そう思うから。

そして、、、

色々あり、父とはわだかまりもあった。しかし、70歳近い父がいまだに働いているのを見る度、申し訳ない気持ちでいた。

父は『働いていないと落ち着かない』と。そうは言っても少しは楽させたい。

『いつか両親に仕送りを。いずれ両親・弟の面倒を見れるくらいに商売を大きくしたい。』

そんな思いがあった。

いつかは、、、いつかは、、、

そう思っているうちはなかなか実現出来ない。

私がグズグズしているうちに、父が仕事を辞めざるを得ない状況になった。ようやく契約更新が決まったばかりだった。無論、常勤などではないので大きい額にはならない。

それでも、その収入があると少しは生活が楽。悩む父に、、、

『辞めていいよ。その分くらい俺がなんとかするから。』

すまない、すまない、と繰り返す父と母。

私は心の中で、今日の今日まで甘えていた自分を恥じた。そして、ようやく両親に少し、ほんの少し恩返しが出来る事が嬉しかった。

『お前の人生なんだから好きに生きろ。』

父の願い、思い。

私が自分のやりたい事を続ける事。好きに生きる事。

それもまた、親孝行なのかもしれない・・・

 

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