間違い | ジムスタジオが出来るまで③


何度も打ち合わせを繰り返しようやく内装が決定しました。内装費の見積もりを頂いて、私は政策金融公庫へ事業計画書を持って融資の申し込みに向かいました。

ここで間違ってしまいました。結構やってしまう方もあるそうですが、私もやってしまいました・・・

まったく初めて作り始めた自分のお店。まさに右も左も分からない状態。不動産屋さんは急かすし、内装も早く着工したい・・・そう、融資の結果を待たず契約してしまったのです。

内装業者さんにもそうした状況はお話していたのですが、お互い焦っていたのでしょう。気付かずに契約してしまいました。

1ヵ月後くらいだったでしょうか、公庫から電話が入りました。

”今回は残念ながら・・・”

目の前が真っ暗になりました。どうしたら?!工事は進んでいました。手持ちの資金は物件の契約料に支払ってしまっていたので、残金はわずか。

”あと半月で200万円を作らなければ・・・”

生まれて初めて眠れない夜でした。あと半月で・・・両親から借りるなんてことも出来ません。夜中バイトしてどうにかなるような話じゃない。一人ベッドで嫌な汗をかきました。

翌日、個人事業を長く営んでいる方に相談してみました。

”大丈夫だよ~お金貸してくれるとこなんていっぱいあるよ~”

何だそうなのか。。。少しだけ希望が見えました。教えてもらったテクノプラザへ向かいました。しかし・・・融資制度は受けられないと言われてしまいました。(実はこのときは気付いていなかったのですが、融資そのものを受けられないのではなく、融資にかかる保証料を免除してくれる制度が受けられないということでした。)

再び絶望。振り出しに戻りました。どこへ向かったらいいのか分からないままバイクを走らせました。暑い夏の日でした。

当時は松戸に住んでいましたので、松戸の市役所の方へ向かいました。何か情報があるかも・・・と。色々見ているうちに、ん?待てよ?俺、勘違いしてるな。

初めてのことでしたし、かなり焦っていたので冷静に考えることが出来ていませんでした。ようやく気付きました。

”さっきの話は保証料を優遇してくれる制度が申し込めないだけで、融資そのものの話じゃないんじゃないか?”

ようやく勘違いに気付きました。すぐに松戸の信用保証協会の窓口を調べ、とにかく話だけでもと転がり込みました。

後日正式に申し込み、審査が始まりました。審査結果が出るまで1ヶ月ほど。本当に不安な毎日でした。その間も工事は進んでいました。

 

ある日、仕事を終え内装工事が進んでいく自分のお店を見に行きました。現場では夜遅くまで、大工さんたちが一生懸命作業をしてくださっていました。

”ありがとうございます。少し見させていただいてもよろしいですか?”

大工さんたちにお願いして、しばし現場を見させてもらいました。初めて間近で見る大工さんたちの仕事。イメージ通りに出来上がっていく自分のお店。

”果たしてオープン出来るのかな。いっそここで中止した方が・・・”

不安から弱気になっていました。手際よく作業する大工さんたち。その様子を見ているうちに・・・

”ばかか、俺は。俺があきらめてどうするんだ。”

 

そんな気持ちがわいてきました。仕事だから当たり前と言えば当たり前ですが、見ず知らずの自分の店を一生懸命大工さんたちが作ってくれている。それなのに・・・

ポケットにお客様から頂いた、マクドナルドのカードがありました。融資を待っている身。100円使うのもためらうような日々。もしものために使わずに取っておいたのですが、すぐ近くのマクドナルドに向かい大工さんたちに差し入れを買いました。

”こんなことぐらいしか出来ず申し訳ない・・・”

情けない気持ちになりながら、大工さんに手渡すと

”おお~ありがとう。あとで頂くよ~”

そのお顔を拝見して勇気が湧きました。例え一日でもオープンさせよう!大工さんたちの苦労に報いるためにも。

今の自分に出来ることを精一杯やろう。そう決めて現場を後にしました。

お店が出来上がったのは、少し肌寒くなった頃でした。

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